すぐれたタンパク源であり、カルシウムの供給源でもあるチーズ。
加工食品としての古い歴史を持ちますが、日本において本格的に製造されるようになったのは大正時代ごろからのことです。
今ではスーパー・デパートなどから様々なチーズを入手することができ、より身近な食材となっています。
最近ではワイングラスを傾けつつ、好きなチーズを選んで試せる専門店もちらほらあり、フランソワも珍しいチーズに出会うことを楽しみに、休日等たまに利用させて頂いています。
チーズの種類
ナチュラルチーズとプロセスチーズがあり、ナチュラルチーズは牛乳、ヤギの乳などに酵素と乳酸菌を加えて凝固させ、水気を切って熟成・発酵させたもの、プロセスチーズは私たちにとって一般的なチーズで、ナチュラルチーズを加工したものです。加熱してあるため保存性が高く、熟成が止まっています。
ナチュラルチーズ
・フレッシュタイプ
クリームチーズ、モッツァレラ、リコッタ、カッテージチーズ、マスカルポーネなど。非熟成。
・白カビタイプ
カマンベール、ブリーなど。軟質(クリーミー)。カビ熟成。
・青カビタイプ(ブルーチーズ)
ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、スティルトンなど。独特な風味・塩気が強い。光に弱く暗所保存。カビ熟成。
・ウォッシュタイプ
タレッジョ、ポン・レヴェック、マンステール、リヴァロなど。ややねっとりとしてクセが強く、コクがある。細菌熟成。
・シェーブルタイプ
ヴァランセ、サント・モール、ピラミッドなど。ヤギの乳から作るチーズ。独特の風味と香り。濃厚。まろやかな酸味。カビ熟成。
・セミハードタイプ
ゴーダ、エメンタール、ミモレット、チェダーなど。コクがあり香りがよい。くせがない。細菌熟成。
・ハードタイプ
パルミジャーノ・レッジャーノ、パルメザン、コンテなど。コクのある味わい。熟成期間が長い。細菌熟成。
プロセスチーズ
ナチュラルチーズを加熱、溶かして乳化剤を加えて再度成形したもの。スライスチーズや三角形など、私たちにおなじみのチーズ。
チーズの効果・効能
チーズの栄養は牛乳の約10倍
チーズにはもともと栄養価の高い牛乳(ヤギなど他の乳の場合もあり)を原料とした発酵乳製品ですが、100gのチーズを作るために1000mlの牛乳を必要としますので、その栄養価はなんと10倍。牛乳の栄養がまるごと凝縮されているのです。
さらに嬉しいことに、製造時に添加された酵素の働きにより、タンパク質であるカゼインが低分子のペプチドやアミノ酸にまで分解されており、消化吸収されやすくなっています。
含まれるタンパク質が良質なことから「白い肉」という別名があるほどです。
また、チーズに含まれる乳糖は牛乳の1/4から1/5程度で、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる乳糖不耐症の人でも安心して食べることができます。
ダイエットをサポート
栄養価の高いチーズですが、実はGI値が低いために、血糖値の急上昇が気になる時に食べたい食品です。
低GI値の食品は、食事の時に上手に合わせれば、インスリンの過剰分泌を避け、ダイエットをサポートすることができるということです。
血糖値はゆるやかに上昇して、ゆるやかに下降していくのが理想的ですよね。例えば朝食に菓子パンとコーヒー、という高GI食品をとってしまうと、血糖値は急激に上がり、お昼になる前にはもう集中力切れなどということになってしまうかもしれませんが、そこにもう一品、サラダにチーズを添えたものを加えれば血糖値の急上昇が防げるというわけなのです。
また、後述しますがチーズにはラクトフェリンが含まれており、中性脂肪の減少、ビフィズズ菌を増やして腸内環境を改善する力も発見されています。
チーズには抗ウイルス・抗菌作用をもつラクトフェリンが含まれている
人間の母乳をはじめ、哺乳類の乳に含まれているラクトフェリン。
感染防御機能を持ったタンパク質の一種で、抗菌・抗ウイルス作用があり、免疫力の回復や抗炎症作用があることがわかっています。
ほかにも脂質代謝改善作用から内臓脂肪の低減、ビフィズス菌の増殖作用、鉄と結合しやすいことから鉄吸収調節による貧血を改善するなどの機能が発見されています。
チーズのカルシウムは吸収率が高い
牛乳と同様カルシウム豊富なチーズ。チーズに含まれるカルシウムは、タンパク質のカゼインと一緒に存在するため、小魚などに比べ吸収率が高くなっています。骨の健康のために継続して摂りたい食品です。
また、チーズの消費量が多い国では循環器系疾患が少ない傾向にあるそうです。
ただしチーズには塩分が含まれていますので、食べ過ぎにはやはり注意が必要かと思われます。
脳内のセロトニンを増やすチーズ
チーズにはトリプトファンが含まれ、セロトニンを増やす効果があります。
セロトニンは精神安定や睡眠に関わる物質で、不足するとうつ状態や不安感、睡眠障害などのネガティブな精神状態を招きやすくなります。
現代のような忙しいストレス社会では、つい手軽につまめる簡単なお菓子、機能性食品などに手が伸びがちですが、軽食が必要な時は、同じくトリプトファンを多く含むバナナにチーズを添えたものなどが栄養も豊富ですし、精神の安定にも良さそうです。
チーズをおいしく食べて元気に
牛乳の栄養素がぎゅっと濃縮されて入っているチーズ。消化吸収がよく、子供からお年寄りまで安心して食べることができる貴重な乳製品です。
フランソワはワインが好きなので、ゴーダやチェダーといった食べやすいタイプのチーズは毎日ひとかけらずつ頂いているのですが、カッテージチーズやクリームチーズなどのあっさりとしたタイプも割といつも冷蔵庫に入っています。そのままサラダのトッピングにしたり、お味噌とオリーブオイルと和えて野菜のディップにしたり、和洋問わず料理にも取り入れやすいので便利ですよ。
これからも骨量キープのためにも、毎日少しずつ、継続して摂ろうと思います!